Apr 10, 2016
アビターレの周辺は桜もいい具合の葉桜で、吹く風も柔らかな季節となりました。
皆さま、お花見に行かれましたでしょうか。
今回は、16年の長いお付き合いの中で、
いろいなテイストでインテリアを楽しんでおられるY様邸をご紹介します。
昨年末にお引越ししたばかりで、なかなかご自宅でゆっくりできていない中、
時間を作っていただき、満作が咲く頃、お邪魔させていただきました。
真ん中に見える黄色の花が満作です。
語源は明らかではありませんが、2~3月の早春に咲くことから「まず咲く」「まんずさく」
が東北地方で訛ったものと言われています。
その横には、春に白い花を咲かせるジューンベリーが植樹され、
6月(JUNE)になると黒紫の実をついばみに小鳥が遊びに来るとお話ししてくださいました。
四季折々の風景を生活の中に取り込みながら生活されていて、羨ましい限りです。
ご新居をご購入された当初は、クラシックなインテリアを楽しんでおられましたが、
今回のご自宅の建て替えに際し、リビング・ダイニングを和モダンな雰囲気に
変えることをお考えでした。構想すること約2年になります。
当時、アビターレに展示していたブルーのアームチェアー(Oxfordine)を
大変気に入っていただき、ブルーを基調としたインテリア作りから始まりました。
こちらは建て替えを行う前のリビング・ダイニングです。
右下には、赤いパイピングが印象的なValeo社のソファーが置いてあります。
細かい刺繍が施された生地がクラシックな印象でした。
現在、こちらのソファーは母屋の寝室でお使いいただいています。
ご新居を購入された時は、隣に家が建っていましたが、
タイミング良く隣の敷地が空いたため、10年ほど前に
離れとしてご夫婦の趣味部屋をお作りになりました。
まずはじめにご主人様の趣味部屋を覗いてみましょう。
リビング・ダイニングから離れに通ずる廊下を抜けると
地下への階段が見えてきます。
扉を開けると、天井高は高い所で3mもあり、
地下とは思えない開放的な空間が広がっています。
こちらの趣味部屋は、当時からお好きなクラシック調のインテリアでまとめてくださっています。
当時リビング・ダイニングでお使いだったソファーやチェアーを配置して、
隠れ家的な雰囲気で上手くまとめています。
壁面奥には、幅4mを超える壁面収納のリブレリアが置かれています。
デスクの左側にある正方形の引出しは、特注サイズで製作したもので、
交互に引出しをつけることで、動きのあるデザインになっています。
お車好きなご主人は、リブレリアに模型をディスプレイし、
ガレージには模型と同じ車を所有しておられます。
こちらのリブレリアは引き戸になっており、中にはもう販売されていない貴重な
アンティークの音響機器が入っています。
リブレリアは無垢材を使用していますので、音響機器が内部の反響で
ボディーに反響し、音に影響が出たりすることはありません。
オーディオマニアのお客様にも自信を持っておすすめできる家具です。
両脇に置かれたスピーカーは高さ150cm、200kgと重いため、
クレーンを使い地下におろしたそうです。
その他に部屋の前後にある4台のスピーカーは、
ソファーに座ると四方八方から臨場感のある音を聞くことができます。
また、壁や床には、防音材が入っており、徹底した環境作りに脱帽です。
部屋には、スクリーンが備え付られており、迫力のある画面と、
臨場感のある音を実際に体験させていただきました。
ご主人は、毎日この部屋でお仕事後寛ぎ映画鑑賞などをされるそうです。
次は今回建て替えを行った母屋のリビング・ダイニングです。
庭の景観が際立つように、いくつかの工夫がされています。
窓の開口は天井高いっぱいにとり、サッシは木を使用することで温かみのある空間になっています。
ソファーの背もたれは、あえて低いものを選び、
自然に視線が上に向くようにすることで庭の景観が生きてきます。
また、ダイニングの位置からでもテレビを視聴できようにするなど、
これらのアイディアはいずれもご主人のものです。
ご主人が一目惚れされたブルーの光沢のある革のアームチェアーは、
それだけで存在感がありますが、それに合わせて、2種類をソファーをお選びいただきました。
一つは、落ち着きのあるマットな質感が味わいの革のソファー、
もう一つは、ブルーの花柄の布張りのソファーです。
どちらのソファーもご主人のインテリアセンスでお選び頂きました。
また、革のソファーにブルーの花柄のクッションと同色の無地調のクッション
を散らすことで、ボリューム感と統一感が出ています。
天板がガラスのセンターテーブル(MG253)は、
以前からリビング・ダイニングでお使いいただいていたものです。
クラシックから和モダンなインテリアに変わっても家具との相性はピッタリです。
こちらも以前からお使いのダイニングセットになります。
実はテーブルとチェアーは別メーカーになります。
お持ちのチェアーの色味に合わせて、
少し黄色味が強い仕上げのテーブルをアビターレでお買上いただきました。
艶があり、16年前にお買上げいただいたとは思えない程、
とても綺麗に使っていただいています。
こちらが張り替え前のダイニングチェアーです。
座面の張替を行うだけでクラシックな雰囲気からモダンに変身です。
リビング・ダイニングのトータルコーディネートということで、
国内におりますアビターレ自慢の職人に依頼し、チェアーの張り替えを行いました。
座面の縁の始末を布のパイピングから鋲打ちにすることでモダンな印象になりました。
石が敷かれ、灯篭が置かれた坪庭を見ながらの食事は、
風情があり、みる人の心を和ませてくれます。
和室
リビング・ダイニングからひと続きの和室は、じゅらく壁に網代天井を施した
シンプルな作りになっています。
床の間は、藍色の壁面に奥様手作りの花器が置かれています。
扉は3枚の吊り戸で仕切られており、開閉が容易なうえ、
裏はブルーの襖になっており、ご夫婦のこだわりが感じられます。
最後に奥様の趣味部屋お茶室をご紹介します。
18才の頃からお茶を嗜んでおられる奥様は、
当初はお茶室を建ててもらえるとは思っていなかったそうで、
大変ご主人様に感謝されていました。
女性にとって夢のある空間です。
今では、お茶室で瞑想するのが日課になっているそうです。
デッキに上がる石段には関守石が置かれています。
茶道の作法として、この石が置かれた場合、「これより中に入ることは遠慮されたし」
という意味があるそうです。
織田有楽が建てた如庵を模したお茶室は、掛けこみ天井になっており、
丸畳二畳と半畳一畳と台目畳一畳で構成された二畳半台目で、
壁や天井は木、紙、土を使用し、昔ながらの製法で作られています。
お茶の道具の一つである工具は、奥様の手作りで、
象嵌が施されており、中に御香を入れて香りを楽しみます。
客間(離れ)
まさに究極の和のインテリア。心が静まる空間でした。
襖は、薄いブルーグリーンで、取っ手は竹を使用しています。
こちらの御夫婦はいつも穏やかな空気感で周りの方を癒してくれます。
お忙しいお二人でいらっしゃいますが、人間として必要なゆとりをおもちの方です。
それぞれが寛ぐ場所やもの、家具に囲まれてお過ごしになる姿に、
豊かな気持ちをもつ大切さを教わりました。
新たな趣味として、土によって質感や風合いが違う陶芸に魅了され、
ご夫婦で一緒に陶芸を始められました。
拝見させていただいた作品は、どれも温かみのある素敵な作品ばかりでした。
その一部をご紹介いたします。
ご主人様作。なんともざっくりしたいい味わいがでています。
奥様作。信楽焼きの風合いが上品に表現されています。
外観もご紹介いたします。
ガレージの左奥に見えます「庵風樹」と書かれたお茶室の表札は、
ご主人と奥様の名前の一文字を捩って付けたそうです。
仲のいいお二人を象徴しています。
最後に、お忙しい中、長時間取材にお付き合いいただきまして有難うございました。
今回、母屋の建て替えたことで、母屋と離れが一体化され、
お二人の物を大事に扱う姿勢や日本の古くからの習わし、
良さを代々伝えていきたいという思いが表れた家に、
微力ながらお役に立てたことが大変嬉しく思いました。
(アビターレ取扱い商品)
リビング・ダイニング
アームチェアーOxfordine(Baxter) 78 x 82 x 88
ソファーBergere Long(Baxter) 200 x 105 x 79
ソファーCELESTE(Valeo) 160 x 95 x 80
センターテーブルMG253 130 x 75 x 52 ※廃番商品
ダイニングテーブルTC024 160(250) x 85 x 74 ※廃番商品
小物各種
趣味部屋(離れ)
リブレリアFG900 Mod.1 412 x 60 x 165
リブレリアFG900 Mod.1 208 x 65 x 108
センターテーブルFG238/B 115 x 70 x 31 ※廃番商品
ソファーケネディー205(Baxtere) 205 x 98 x 82
Pouf Oxfordine(Baxter) 55 x 55 x 42
サイドテーブルMG127 50 x 50 x 71 ※廃番商品
回転チェアー 56 x 53 x 98 ※廃番商品
テーブルランプ・小物各種