Nov 26, 2015
11月も終わりに近づき、今年も後は師走を残すばかりとなりました。
そんな秋も深まった一日、タイムスリップした様に素敵な館に伺いました。
明和3年(1766年)に建てられたお家の再生をされるにあたり、
O 様はアビターレにいらしてくださいました。
1999年の古民家再生に合わせ、家具をご一緒に考えさせて頂いてからの大切なお客様です。
その中の一つがソファーのセットです。
このブルー系のソファーセットは15年にわたり3人の息子さんを育てられるのにピッタリでした。
そして今度はエレガントにアイボリー系をお選び頂きました。
これからのご家族の時間をきっとお楽しみ頂けると思います。
古民家再生は明和3年に建築された2棟並んだ本棟造りの建物をつないで行われました。
建物のパーツをすべてはずし状態を点検、必要な補修を施したりしてまた一から建てていきます。
新しい家を建てるよりずっと手間も時間もかかる建築です。
この家は江戸時代中期に建てられて以来、
二百余十年の間に何度か増改築がなされたそうです。
下の写真の様に梁の少し上で柱をつなぎ、
天井をあげて高さを出すことで緩やかな勾配の屋根の下に広い空間を確保しています。
また、天窓を設け明かりを部屋の中に導き入れています。
本棟造りでは切妻造りの(屋根との棟と直角の)妻の面に
家の主人や来賓の為の正玄関が設けられ、
通常、家族はその脇の内玄関を主に使用してきました。
O様のお家は再生時に内玄関も再生し、普段の生活で使う玄関にしておられます。
染色工芸家 人間国宝の芹沢 銈介作の暖簾をくぐると時代を超えた空間が現れます。
15年間お使い頂いたソファーとアームチェアーがとても素敵にマッチしています。
アームチェアーに乗っているクッションのカバーも芹沢 銈介の作品です。
今日はソファーとアームチェアーの衣装替えです。
Valeo社のソファーはほとんどが要所要所に、
マジックテープでぴったりとつけるカバーリングタイプです。
前のカバーを外し、新しいカバーにつけかえます。
カバーリングタイプのソファーは汚れた時すぐにクリーニングに出すこともできますし、
夏と冬で肌触りの違う季節にあった快適なカバーにかえる事もできます。
同じ空間ですが使う色を変える事で雰囲気がぐっと変わります。
薄い色にかえた事で明るくそしてお部屋自体が広く感じられます。
ラグもお持ちだったベージュ系のものに取りかえました。
前と同じ一閑張(竹と和紙で成形され漆を塗って仕上げ)のセンターテーブルをあわせます。
ソファーカバーをお選び頂いた折に、クッションも合わせて選んで頂きました。
手前の花柄はアームチェアーと同じ生地、
そして後ろはブルーグレーの部分に毛足のある亀甲柄です。
ソファーの両サイドには前からお使いの素敵な陶器のテーブルランプをペアでセットします。
ソファーセットの前にはリブレリアで造った壁面収納があります。
15年前、まだブラウン管テレビの頃に造ったリブレリアです。
縦の構造材の位置を変えテレビがぴったりと入る様に工夫されて大切に使っておられます。
無垢材ならではの良さを改めて感じる事ができました。
目を横のダイニングに向けてみました。
古民家再生時にお求め頂いた一点もののウォールナット無垢材のダイニングテーブルです。
15年のご家族の歴史を刻んだ大きなテーブル(270x85)ですが、
良くお手入れが行き届き風格のある姿です。
ダイニングの横の土間の部分には可愛いライトとご子息が小さい時に描かれた虫の絵!
ビックリする程 とても上手に描かれています。
素敵なお庭の秋も見せて頂きます。
敷地の入り口にある大きな木は保存樹の指定を受けた欅です。
木の洞には木の妖精? トトロ?が住んでいそうな気配です。
お庭には今は使われていない古い洋館が残っています。
上の部分が丸くなった窓が興味をそそります。
お庭の紅葉の丁度美しい時期、うっとりとしてしまう季節です。
そのお庭の片隅にはご子息が造られたピザ釜があります。
屋根から降ろされたチャチホコがしっかりと乗っています。
今度はピザ釜の上で鬼瓦の役目をはたしているのでしょうか。
お庭から見たリビング、そして窓に映った紅葉に振り向くと!
素敵な晩秋の景色です。
お忙しい中お時間を都合して下さいましたO様ご夫妻の温かいおもてなし、
本当にほっとできるゆったりした空間、
とても素敵な秋の一日を過ごさせて頂きました。
(アビターレ 取扱い商品)
ダイニングテーブル Z01S (270x85)
チェアー TC047LW
アームチェアー TC027LW
ソファー Valeo Fulvio w230
アームチェアー Valeo Fulvio w100
リブレリア FG 900
サイドテーブル TC163
スツール MS811