【秘密の花園 】
昨日は東日本大震災より10年。
被災されお亡くなりになられた多くの方に心よりご冥福をお祈り致します。
「一粒の砂にひとつの世を見、 一輪の野の花にひとつの天国を見、
手掌(てのひら)に無限を乗せ、 一瞬(ひととき)のうちに永遠を感ずる」
ウィリアム ブレイク
今回久しぶりにお客様お宅訪問のブログを書きます。
この言葉は、アビターレショップ閉店前に今回御紹介するお客様からいただいた言葉です。
これから春を迎えるちょうど二年前を思い出します。
昨年末のブログで少しご紹介させて頂きましたが、
アビターレのショップ閉店前に『お客様お宅訪問』で御世話になったお客様が、
二年越しに御新居を建てられ、家具をご納品させて頂きました。
お引越しから少し時間がたち、お暮らしになられているご様子を
素敵なお写真で頂きましたので
お客様の思いとこれまでの経緯をともにご紹介させて頂きます。
お客様との出会いは2018年6月、かねてより雑誌『I’m home』でご覧になっていた
マルケッティの家具を、と御来店になったのが始まりです。
お客様はこれから数年後に、然るべき土地に、然るべきお住まいを建てる、
そのための家具を今からお揃えになるということでした。
もちろん御新居の設計図もありません。
まだ見ぬ御新居の家具選びは、あまり経験したことの無いことでしたが、
お客様の中にはすでに御新居のイメージが決まっていらっしゃいましたので
私達もお客様の言葉からお暮らしの様子や理想を共有させて頂き、
家具をご提案して参りました。
そしてお客様は御新居が決まるまで倉庫で保管するということは望まれず、
当時お住まいだったマンションから仮住まいとなるお宅へとご納品させて頂きました。
その模様は『お客様お宅訪問』ブログの『住まう倖せ』でご紹介しています。
私達は当時お住まいだったマンション、仮住まい、そして御新居と関わらせて頂きましたが、
家具達はその都度買い替えるのではなく、引き続いてご使用になり、
ひとつたりとも無駄にはなさらず現在に至っています。
さて、前置きが長くなってしまいました。
御新居は、空気の澄んだ美しい林の中にありました。
クリーム色の外壁に緑の屋根が印象的な洋館です。
そして玄関のドアを開けると、まずこちらのシーンが迎えてくれます。
マルケッティのキャビネットD86。全面にだまし絵のような象嵌細工が施されています。
そしてそのキャビネットに合わせてお客様がオーダーされたモザイクタイルの壁画。
ご家族で訪れたというトルコの遺跡のイメージです。
一つずつのタイルに繊細な彩色とマチエールがありお客様のイメージを具現化されています。
このキャビネットに合わせて壁画をお作りになっているというお話をうかがった時、
この一見主張の強いデザインが、どのような壁画とマッチするのだろうかと
想像もできなかったのですが見事な調和です。
お玄関の左手に進むとゆったりとしたLDが広がります。
こちらには私達も懐かしい、マルケッティの家具をはじめ、
アビターレでお選び頂いた家具たちが美しくレイアウトされています。
ソファーは rs.valeo社のカバーリングタイプのもの。
以前は桃のモチーフの生地でお使いでしたが、冬のイメージに合わせてカバーを変えました。
またイタリア・バクスター社のソファーもご納品させて頂きました。
仮住まいのお宅にご納品させて頂いた黒いキャビネット。
新しいダイニングでも存在感を放っています。
中には食器がたくさん。
お客様が韓国でオリジナルで製作されたというテーブル、
国を問わずに一貫されたご趣味で整えられた空間です。
下はキッチンのお写真。作業効率を優先に、機能的な作りです。
面材のお色やタイルなど、素材感を大切にされた空間。
マルケッティの素朴なチェアーが絵になりますね。
石張りの職人、左官職人、壁画製作の方…とそれぞれの分野の方が
お客様の理想を実現される為にと力を出された様子が目に浮かびます。
まさにイメージ通りの御新居ですと仰る姿に、私達が大きなプロジェクトに
関わらせて頂いたことを感謝致しました。
これから春に向けて、外構とお庭づくりが続けられる予定。
お客様は薔薇作りも愛していらっしゃって、『秘密の花園』もきっと実現されるのではと思っております。
秘密の花園が出来上がった際には、また続編としてお客様に御協力頂き、
皆様にも御紹介したいです。
ご自分達の家だけでなく、地域に開いた場所にしたいと仰っていた姿も印象的でした。
常日頃、日々慈しむ気持ちを忘れずに…というお言葉を教わることができた素敵なお客様でした。
今後のお客様お宅訪問は、私達がお邪魔できなくとも、
素敵なお暮らしをされているお客様からいただいたお便りやお写真を交えながら
御紹介できるページにしていきたいと思っております。